Urban Naturalist Society

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発見!9000万年前の花の化石
5億年前に3種の藻類の中の緑藻類が海から陸へ上がり、植物の先祖になったと言われる。3.6億万年から2.45億万年前にはシダ植物が大隆盛し、イチョウの先祖も現れた。裸子植物に続き、花を咲かせる被子植物の化石は1億年前の地層から発見される。今夏その化石を見に羽幌郷土資料館を訪れた。利尻島を望む羽幌町はオロロン鳥で有名な天売島の対岸にあります。以下は資料館の掲示板から引用。

ハボロハナカセキは北海道羽幌町の中生代上部白亜紀層(約9,000万年前)から発見されました。白亜紀時代(6,500万年前~1億3,000万年前)の花の化石は世界でも数少なく、現在アメリカ、スウェーデン、ソ連で8個発見されていますが、このハボロハナカセキは非常に保存状態 が良好で内部構造がほぼ完全な形で残されていることから、植物の起源を探るうえで世界的に貴重な資料です。現在までの研究の結果、南半球に現生するクスノキ目に属するモニミア科に良く似た被子植物で、オシベが見当たらないことから雌雄異花の雌花でモニミア科の祖型と考えられています。しかし花柄の組織にソテツ類と共通する特徴も残していることからソテツ類から被子植物への進化説を裏づける植物ではないかと推定されています。また、茎の外縁や子房に精油細胞があることから花はモクレンやクスノキのように香ばしい香りがしていたことがわかっています。この化石は現在ではクスノキ目に近いモクレン目とされている。今日では1998年に中国で1億4200万年前の花の化石が発見されたとか沢山の小型花の化石が多数発見されている。花の起源に関する話題は今一番ホットな話題とも言える。(高見)



(左)参考写真:同じモクレンの仲間のタイサンボクの花が実になりかけている状態






城ヶ島にソメイヨシノ狂い咲きか?
城ヶ島大橋を渡り最初の県営駐車場で10月初旬に桜が咲いていました。先日の台風で落葉して
狂い咲きしたのでしょうか。咲いてる花は一重、10月桜は八重咲きだから該当しない。
花柄、萼筒(花の下の緑の部分)に毛が多いからヤマザクラ、オオシマザクラの狂い咲きではない。
冬芽に冬桜の特徴の丸みが無く、長く毛が多く、冬咲きの冬桜にしては花柄が短くない
(春咲きの冬桜は花柄が長い)。樹形が大木系で矮性(背が低い)の冬桜では無い等など、
ちょっといじけた花ではあるが、写真で見るように萼筒下部膨らむ等ソメイヨシノの特徴が顕著です。(高見)






異色の移植実験!・鎌倉のケイワタバコ

10月20日、鎌倉の旧華頂宮邸の一角で妙な箱を発見。近寄ってみたら、なんと鎌倉名物ケイワタバコ
(葉の裏に短毛があるので「ケ」がつく)の移植実験とのこと。日大の学生グループに説明を聞いたら環境破壊で減っているので保護のため長谷寺から苗をもらって実験しているそうです。外側の素材は何と古くなったカーペット!苗を何箇所か埋め込んであります。栄養源として中にはたい肥や土が入っています。ここで育てて自然の環境に移植するそうですがうまくいくといいですね。去年、十二所神社では崖のケイワタバコのほとんどが何者かに盗まれるという事件がありました。環境破壊だけでなくモラルの破壊も大きな問題だと思います。

他の植物との競争を避け、切り立っ た岩盤に安住の地を見つけたケイワ タバコは、独特の方法で子孫を増や す。花を終えると茎はだらりと垂れさ るがるが、種ができる頃には次第に 硬く強くなり内側に曲がり始める。 そして槍の穂先のようにとがった 果実を茎の弾力で岩に押し付け、そこに隙間があれば穂先を差し込 んで種を埋め込む。茎は日がたつに つれより強く曲がり、果てはゼンマイの ように2重3重にもなってさらに押しつける力を増す。次の世代をなにが なんでも残そうとする、この植物の 知恵と意志には、ほとほと感服しま すね。皆さんも一度花の終わった ケイワタバコを観察してあげててください

輪の中の茶色い部分が「槍の穂先」







食べられる?食べられない
             


赤いおいしそうな果実はヒヨドリジョウゴ、ナス科の植物は有毒のものが多く、
この草は全草と果実も有毒で嘔吐、腹痛、下痢、呼吸麻痺を起こすというから凄い。
ヒヨドリが食べるからヒヨドリジョウゴと言うといいますが、本当かな。           


次の花はキヅタでアリやハエ等の昆虫が蜜を吸いにきます。ウコギ科の植物は
薬など有用なものが多いのですがキヅタは葉と果実は嘔吐、胃腸炎等引き起こすといいます。
観葉植物として今はやりの西洋キヅタも同じような              
毒性があるようです。
          


紫の花はご存知トリカブト。毒草中の毒草。特に塊根は猛毒です。             


最後の花はなぜか季節はずれに咲いて散ったエゴノキの花。
エゴの果実にはサポニンと言う毒が含まれていて、             
昔砕いた果実の汁を川に投げ込み毒で浮いてくる魚を獲ったそうです。
               


ほとんどの植物は昆虫や動物の食害を避けるため何らかの毒を持っています。
しかし動物散布の果実は熟すと赤や黒になるなど食べられるサインを出します。
ヒヨドリジョウゴの赤やエゴの種子の黒はどの動物に対するサインだろう。
種子を運ぶ特定の動物が解毒の方法を編み出したのでしょうか。 (高見)
 





冬の浅間高原。スノーシューで不思議発見!
2008.2/2(土) 軽井沢プリンスランドで行われたスノーフェスティバルで、嬬恋ンタープリター会の一員と
してスノーシューツアーのガイドをしてきました。その時見つけた「不思議」をご紹介します。  (吉田)


ノウサギのフン
雪原に続く足跡を追っていたら途中で立ち止まって可愛いウンチを1個した形跡が。
このあと進路を右に90°変更していました。同様なウンチ跡がほかに2か所。普通は
歩きながら何個もするのにこれはきちんと置いたように1個だけ。もしやマーキング
行動じゃなかろうか? クサイぞ。




チョウセンゴヨウの実
雪の上のリスの足跡を追って行ったらこんな食痕が。チョウセンゴヨウの松ぼっくりの
隙間にはさまっている実を丈夫な歯で割って中身を食べます。落ちていたのはチョウ
センゴヨウではなくドイツトウヒの木の真下。葉っぱがまばらなチョウセンゴヨウの上では
天敵に見つかりやすいので、こんもり茂った木に移動して食べるんでしょうね。韓国料理
に使う「松の実」はこれです。リスって贅沢!



ウスタビガのマユ
野鳥につつかれたのか雪原の上に落ちていました。恐る恐る中を開くとさなぎの抜け殻が。
さなぎが入っている頃はまだ紅葉前なのでこの緑色が保護色になっています。先端の小さな
穴は水抜きのため。繭の口から雨が入っても、ここから排水されるわけですね。かしこい
!



ホンドリスの巣
カラマツの大木の中ほど、地上数メートルに作られた巣。大きさはバレーボールくらいで鳥の巣と
違って球形。近くにもう二つあったけど多分同じリスのでしょう。天敵の目を欺くため複数作って
移動するといいますから。参加者の一人が、なんと横に空いた穴からリスが入っていく瞬間を目撃!
 ああ見たかった!!!



枝先に現れた怪獣?
冬枯れの庭や町なかに忽然と現れるのが、この恐いというか可愛いというか、ユーモラスな怪獣君です。
正体は花ミズキの枝先。玉ねぎ型の花芽が落ちると、こんな顔になるわけです。眼のように見えるのは
葉っぱの落ちたあと、つまり葉痕です







犯人は誰? 2008/5/25

左 状況証拠1:横浜、森林公園の観察会で発見!ミズキの木の下に小枝がバサバサ落ちていた。   
右 状況証拠2
:よく見ると実はほとんどついていない。



左 状況証拠3:断面を見ると折れたのではなく、刃物でスパっと切ったような感じ。  
右 状況証拠4:落ちていない枝には実がいっぱい。なぜ? 



犯人:たぶんカラス。ミズキの枝先は細いので体の重いカラスはうまくとまっていられない。
そこで枝先をくちばしでパチンと切り落とし、地面に落としてからゆっくり実をついばむという手順。
だから落ちている小枝には実が付いていないわけ。カラス、賢い!
証拠写真を撮れた人は投稿してください。お礼にクラフト葉書セットを差し上げます 。その後の現場検証で枝先は手でポキっと簡単に折れ、切り落としたような断面になることが判明。      
カラスがくちばしで「切り落とした」というより、折って落としたのかもしれません.




            

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自然の中で見つけた
「きれい」「ふしぎ」「めずらしい」を
気の向くままに掲載していきます。
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8月15日、群馬県嬬恋村の別荘地での観察会で参加者が見つけた珍しいキノコ。
枯れた倒木の皮をはいだら、中から何やらエイリアンの腕かホタテのヒモ?みたいなものが。
見えないが、下には柔らかい卵状のものがあり
半透明の膜を透かしてやはりオレンジ色のひものようなものが入っているのが見える。
図鑑で調べたら同じアカカゴタケ科のサンコタケだった。「ひも」は4,5本出て上部がつながっている。
悪臭で昆虫を呼ぶので、皮をはぐとすぐに嗅ぎつけたハエたちが寄ってきた。
人間には不快でも彼らにとっては食欲を刺激する最高のスパイスなのだろう。
(吉田)

   

倒木に潜むエイリアン

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